職業紹介事業・労働者派遣事業の実務セミナー
職業紹介事業・労働者派遣事業とは
職業紹介事業とは、紹介者が、求人者及び求職者の申込みを受け、求人者と求職者との雇用関係成立 |
を「あっせん」することを業として行うことをいいます。あっせんとは、求人者と求職者の間を介在 |
し、雇用関係成立が容易に行われるよう、第三者として便宜を図ることをいいます。職業紹介事業に |
は、届出制の「無料職業紹介事業」と許可制の「有料職業紹介事業」があります。 |
労働者派遣事業とは、派遣元事業主が自己の「雇用する労働者」を、派遣先の「指揮命令」を受けて、 |
その派遣先のために労働に従事させることを「業として行う」ことをいいます。労働者派遣における |
派遣元事業主、派遣先及び派遣労働者の三者間の関係は、①派遣元事業主と派遣労働者との間に「雇 |
用関係」があり、②派遣元事業主と派遣先との間に「労働者派遣契約」が締結され、この契約に基づ |
き派遣元事業主が派遣先に労働者を派遣し、③派遣先は派遣元事業主から委託された「指揮命令関係 |
」の権限に基づき派遣労働者を指揮命令するというものです。 |
次の2種類があります。 |
1.有料職業紹介事業 |
有料職業紹介事業とは、職業紹介に関し手数料又は報酬を受けて行う職業紹介事業をいいます。 |
有料職業紹介事業は、厚生労働大臣の許可を受けて行うことができます。 |
2.無料職業紹介事業 |
無料職業紹介事業とは、職業紹介に関しいかなる名義でも手数料又は報酬を一切受けないで行う |
職業紹介事業をいいます。 |
1.有料職業紹介事業については許可制(有効期間は新規3年、更新5年) |
2.3以外の無料職業紹介事業については許可制(有効期間は5年) |
3.以下の無料職業紹介事業については届出制 |
(1)学校等が、学生生徒等を対象にして行うもの |
(2)農協、商工会議所、商工会等の特別の法律により設立された法人が、 |
構成員等を対象にして行うもの |
(3)地方公共団体が、自らの施策に関する業務に附帯して行うもの |
有料職業紹介事業を行おうとする事業主は、本店を管轄する都道府県労働局を経由して厚生労働大臣 |
に提出しなければなりません。なお、許可の申請を行う場合には、事前に都道府県労働局にご相談ください。 |
(職業紹介事業の業務運営要領より抜粋です。詳細は都道府県労働局にご相談ください。) |
1.申請者が、当該事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有すること |
次のいずれにも該当し、有料職業紹介事業を的確、安定的に遂行するに足りる財産的基礎を有すること |
(1)資産(繰延資産及び営業権を除く。)の総額から負債の総額を控除 |
した額が500万円に申請者が有料職業紹介事業を行おうとする事 |
業所の数を乗じて得た額以上であること。 |
(2)事業資金として自己名義の現金・預貯金の額が、150万円に申請者 |
が有料職業紹介事業を行おうとする事業所の数から1を減じた数に |
60万円を乗じた額を加えて得た額以上となること。 |
2.個人情報を適正に管理し、及び求人者、求職者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること |
(1)個人情報管理体制に関する判断 (個人情報適正管理規程を定めている、 |
など) |
(2)個人情報管理の措置に関する判断(個人情報の紛失等を防止するための |
措置が講じられている、など) |
3.1から2までのほか、申請者が、当該事業を適正に遂行することができる能力を有すること |
(1)代表者及び役員に関する要件(欠格事由に該当しない、など) |
(2)職業紹介責任者に関する要件(欠格事由に該当せず、職業紹介責任者 |
講習を受けているか、など) |
(3)事業所に関する要件(対面の職業紹介事業に使用できる事務所の面積が |
おおむね20平方メートル以上であるなど) |
(4)適正な事業運営に関する要件(事業主の利益に偏った職業紹介が行われ |
ていないこと、など) |
労働者派遣事業を行おうとする事業主は、本店を管轄する都道府県労働局を経由して厚生労働大臣に |
提出しなければなりません。なお、許可の申請を行う場合には、事前に都道府県労働局にご相談ください。 |
(労働者派遣事業関係業務取扱要領より抜粋です。詳細は都道府県労働局にご相談ください。) |
1.当該事業が専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行われるものでないこと |
2.申請者が当該事業の派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして厚生 |
労働省令で定める基準に適合するものであること |
(1)派遣労働者のキャリアの形成を支援する制度の内容に関する判断 |
(2)派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うための体制整備に関する判断 |
3.個人情報を適正に管理し、派遣労働者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること |
4.2及び3の他、申請者が当該事業を的確に遂行するに足りる能力を有するものであること |
(1)財産的基礎に関する判断(事業主(法人又は個人)単位で判断) |
(2)組織的基礎に関する判断 |
(3)事業所に関する判断 |
(4)適正な事業運営に関する判断 |